オーストラリア政府は、グーグルなどが検索結果にニュースを表示する際、報道機関に料金を支払うべきだと考える。それを義務付ける法案を準備中だ。グーグルは反発し、豪市場からの撤退をちらつかせる。検索による顧客誘導に頼る小企業は負の影響を懸念する。グーグルの反撃は一層強い規制を招く恐れがある。

 グーグルのない生活なんて想像できるだろうか。オーストラリア人にとって現実になるかもしれない問題だ。

 オーストラリア政府は1月、グーグルの検索結果などにニュースコンテンツが含まれる場合、そのコンテンツを発信する報道機関などに使用料を払うよう義務付ける法案を公表した。政府関係者によれば、法案は数週間のうちに成立するという。これに反発したグーグルは、同国内での検索サービスを止める可能性に言及した。

 グーグルでオーストラリア・ニュージーランド(NZ)担当マネージングディレクターを務めるメル・シルバ氏は1月22日、同法案を審議する豪議会の委員会で「法案が成立した場合、グーグルとしては豪州での検索サービスを止める以外の現実的選択肢はなくなる」と発言した。

 グーグルが発したこの最後通告に、スコット・モリソン豪首相の反応は冷ややかだった。記者団に対し「脅しには屈しない」と答えた。

モリソン豪首相(左)もグーグルのシルバ氏(右)も容易には引かない構えだ(写真=左:AAP Image/アフロ、右:REX/アフロ)

 グーグルの動きを受けて、企業やテック業界は懸念を深めている。グーグルが撤退(G-exit)すれば、ビジネスに大きな影響を及ぼす恐れがあるからだ。中でも、自社のウェブサイトに顧客を誘導するのに、検索エンジンに頼っている中小企業が抱く懸念は大きい。

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