フランスのマクロン大統領が議論を呼ぶ法案を作成した。政教分離に基づく原則を守るためと説明するが、イスラム過激主義に対抗するのが影の狙いとみられる。非難の声がある一方で、仏国民の大半はマクロン路線を歓迎している。

<span class="fontBold">パティ氏の事件の後、記者を前に発言するマクロン大統領</span>(写真=代表撮影/ロイター/アフロ)
パティ氏の事件の後、記者を前に発言するマクロン大統領(写真=代表撮影/ロイター/アフロ)

 仏パリ近郊で10月16日に起きたテロ事件で、中学の歴史・地理教員サミュエル・パティ氏が首を切られて殺害された。同氏は表現の自由に関する授業で、イスラム教の預言者ムハンマドの風刺画を週刊紙シャルリエブドが掲載した問題を議論するため、この風刺画を生徒に見せていた。

 この事件から2カ月近くがたった12月9日、フランス政府は新たな法案を発表した。過激なイスラム主義を取り締まる──少なくとも、この法案の影の狙いはここにある。エマニュエル・マクロン大統領は以前から「イスラム分離主義」と戦うための法案の策定を約束していた。

 ただし、イスラム教に汚名を着せるとの非難を避けるため、法案の最終版は「フランス共和国の原理原則を強化する」ことを意図した法案として構成された。

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