アマゾンCEOのベゾス氏が複数の環境保護団体への寄付を通じて気候変動問題に貢献する姿勢を見せ始めた。寄付額やネームバリューからして注目の支援者になりそうだが、貢献姿勢からはいまひとつ「革新性」が見られない。気候変動への寄付は対外批判をかわすものにすぎず、彼の関心はむしろ宇宙にあるとする見方すら出始めている。

<span class="fontBold">ベゾス氏の関心は、地球の環境保護よりも宇宙への移住にあるようだ</span>(写真=AP/アフロ)
ベゾス氏の関心は、地球の環境保護よりも宇宙への移住にあるようだ(写真=AP/アフロ)

 もしあなたが10億ドル(約1040億円)持っていて、このお金を気候変動問題の解決のために使いたいと思ったら、あなたはどうするだろうか?

 一握りの人々にとって、これは非常に真面目な問題となっている。今月初めには、米アマゾン最高経営責任者(CEO)のジェフ・ベゾス氏がインスタグラムで、複数の環境保護団体に7億9100万ドル(約822億円)を拠出したことを明らかにした。これは米マイクロソフト創業者のビル・ゲイツ氏、マイケル・ブルームバーグ前ニューヨーク市長などの流れに続くものだ。

 しかしベゾス氏の寄付はこれで終わりではなく、今回はベゾス氏が設立した100億ドル(約1兆400億円)の「ベゾス・アース・ファンド」基金の第1弾に過ぎないのだという。

気候変動問題では「新参者」

 興味深いのは、気候変動問題に対していかにアプローチすべきか、地球上の最も賢明な人でさえはっきりとした正解がないことだ。開発に時間のかかる技術に投資する方がいいのか、開発途上国のクリーンエネルギーに投資して短期間のうちに環境汚染の削減を実現するのがいいのか、それとも、環境にやさしい政策に向かうよう圧力をかけるための政治キャンペーンに使うべきか、もしくは、海面上昇という不可避の事態に備えて堤防の建設に取りかかるべきなのか。

 それぞれの大富豪が用いる手法は異なる。

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