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新型コロナウイルスの感染を予防するワクチンの開発に光明が見えてきた。これに伴う経済の正常化がドルの下落を引き起こすとの見方が浮上している。「有事の避難先」としてのドル需要が減退するからだ。資金の行き先として北欧や新興国が注目される。

10カ国・地域中7に対してドル安に
●ドルに対する騰落率
(出所:Financial Times)

 米ウォール街のアナリストたちは、新型コロナウイルス用のワクチンが実用化されれば、来年はドルが値を下げると予測する。世界経済に対する信頼感が戻るからだ。

 2021年にドル安になることをもともと予想していた大手銀行は、11月に入ってその見方をさらに強めた。臨床試験の結果が伝えられ、来年にはワクチンが広く実用化されるとの期待が高まった。これで景気回復に拍車がかかれば、投資家のリスク志向が高まる。

 ドルは一般に、社会の緊張が高まる局面で需要が増す。ドルは投資家や貯蓄家にとって「安全地帯」の役割をずっと果たしてきた。新型コロナウイルス感染拡大の真っただ中にあった3月にドルが驚くべき高騰を見せたのはその証しといえる。そして今、一部の為替ウオッチャーはワクチンの登場がすべてを変えると考えている。

 米シティグループのストラテジスト、カルビン・ツェー氏は研究ノートにこう記した。「ワクチンが流通するようになれば弱気相場になることを示す懸念材料がすべて取り払われ、ドルは00年代前半と似たような道筋をたどることになるだろう」。同グループは「ドルが来年20%下がることがあり得るかと問われれば、我々の答えはイエスだ」とも指摘する。