全1898文字

コロナで劇場やテーマパーク収入が大きく落ち込むディズニーが、動画配信サービスに活路を見いだそうとしている。7~9月期決算が赤字であるにもかかわらず株価が堅調なのは「ディズニープラス」の急成長によるものだ。投資家もディズニーの長期的な成長は可能と見ており、より一層動画配信事業に力を入れるよう求めている。

決算が赤字であったにもかかわらず、時間外取引の株価は5%以上上がった(写真=AFP/アフロ)

 米ウォルト・ディズニーによると、新型コロナウイルスの影響で映画館やテーマパークの集客低迷が続いたことから、2020年7~9月期は31億ドル(約3224億円)分の営業利益が失われたという。

 だがその一方で、昨年11月に開始した動画配信サービス「ディズニー+(プラス)」の会員数が約1年で7370万人まで増えたことを明らかにした。決算発表を受け、時間外取引では同社の株価が5%以上の上昇を見せた。

 ロックダウンで自宅での動画視聴の需要が高まったことが、ディズニープラスの会員数増加につながっている。だがまだ利益は出せていない。ディズニープラスにドラマ中心の「Hulu(フールー)」、およびスポーツ専門局のESPNを加えたグループのD2C(ダイレクト・ツー・コンシューマー)部門の売上高は7~9月期、49億ドル(約5096億円)だったが、営業損益は5億8000万ドル(約603億円)の赤字を計上しているからだ。

 今年2月までテーマパーク部門の責任者だったボブ・チャペック最高経営責任者(CEO)は「輝きを放っているのはD2C部門で、これが当社の将来の鍵を握っている」と述べた。

 新型コロナの影響で、D2C部門以外は大きな打撃を受けている。映画館はがら空きとなり、テーマパークは一時閉鎖もしくは入場制限を余儀なくされている。広告販売は低迷し、テレビ番組制作や映画製作は中止されている。9月には、テーマパークで働く従業員を中心に、2万8000人の削減が決定されたばかりだ。

日経ビジネス2020年11月23日号 97ページより目次