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テスラ共同創業者のストローベル氏は、EV用電池に再利用すべく携帯電話から希金属を取り出す事業に取り組む。このスタートアップ企業にアマゾンがファンドを通じて資金を投じる。新型コロナ危機に起因する宅配需要増やEVの利用拡大は新たな環境破壊を招くとの懸念が背景にある。

テスラの共同創業者であるジェービー・ストローベル氏(中央)は、EV用バッテリーのため、携帯電話から希金属を取り出す事業に取り組む(写真=ロイター/アフロ)

 米電気自動車(EV)テスラの共同創業者ジェービー・ストローベル氏が率いるスタートアップ企業が、米アマゾン・ドット・コムからの資金を獲得した。米レッドウッド・マテリアルズは、古いスマートフォンやその他の電子機器からリチウム、コバルト、ニッケルを抽出する事業を展開している。EV用のバッテリーに再利用する目的だ。

 アマゾンは今年、気候変動対策のための基金「クライメート・プレッジ・ファンド」を創設すると発表。最初の投資先として、5社に総額20億ドル(約2100億円)を投じる。レッドウッドはそのうちの一社だ。

 アマゾンをはじめとする数社は2040年までに二酸化炭素(CO2)の排出量を実質ゼロにし、後世の人々に安全な地球を残すとの目標を掲げる。同社のジェフ・ベゾスCEO(最高経営責任者)は声明の中で、初回の投資先となった5社は、この目標の達成を後押しするため起業家魂を発揮してくれると語った。

EV由来の環境汚染を減らす

 ストローベル氏はテスラで03年から19年までCTO(最高技術責任者)を務めた。17年にレッドウッドを創業したのは、世界がガソリン車から電気自動車にシフトする中でバッテリーの原料となる鉱物類の採掘が急増し、従来なら必要なかった環境被害をもたらす可能性が大きいと考えたからだ。