ドルが下落を続け、基軸通貨としての地位が懸念されている。価値の尺度や決済通貨、国際準備通貨としてドルの地位を脅かす代替通貨は今のところ存在しない。だが中国はこうした要素について徐々に歩みを進めている。将来、人民元が立場を強める可能性はある。

ノリエリ・ルービニ氏
ニューヨーク大学スターンビジネススクール教授兼、経済分析を手掛けるRGEモニターの会長。米住宅バブル崩壊や金融危機到来を数年前から予測したことで知られる。
歴史を振り返れば、覇権国の通貨が国際準備通貨となってきた(写真=左:ロイター/アフロ、右:アフロ)

 米ドルの価値が低下する基調にある。これを受けて、ドルが主たる国際準備通貨としての地位を失うのではないか、との懸念が浮上してきた。実際、米連邦準備理事会(FRB)が金融緩和策を強力に推進しているため、世界の基軸通貨ドルの価値はさらに下落する恐れがある。その一方で、金相場と予想インフレ率は上昇している。

 しかし、マーク・トウェインの言葉を借りるなら、ドルが早々に死亡するという報道はひどく誇張されている。最近のドル安は短期的な循環要因によるものだ。長期的な状況はもう少し込み入っている。ドルには強みと弱みの両面があり、その地位が世界において将来失われるかどうかはまだ何とも言えない。

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