主要企業の株価が2008年の金融危機を上回る勢いで下落する中、巨大ハイテク企業の株価は堅調だ。もっとも、足元は広告収入の急減や需要増に対応する設備投資で利益率が伸びておらず、業績は不透明である。だが、コロナ危機に伴うデジタル需要の急増が、GAFAのさらなる成長を確約していると多くの投資家は見ている。

近年は巨大ハイテク企業の独占に対する風当たりも強かったが、コロナ危機においては、その事業基盤の底堅さが改めて評価されている(写真=AFP/アフロ)

 世界各国の主要都市が封鎖される中、米アップルは4月15日、「iPhone SE」を発表した。同社は新商品の発表に際し、大々的な宣伝活動をすることで知られているが、この新iPhoneの発表は、至極控えめに行われた。

 大量の雇用を続けることに関し、株式市場で物議を醸してきた米グーグルも、突如採用にブレーキをかけ始めた。現在は必要不可欠な場合を除いて新規雇用をすべて中止している。

 対照的なのが米アマゾン・ドット・コムだ。アマゾンはこれまで、支出に対して慎重な姿勢が見られた。だが今年はアクセルを踏み込み、新規雇用の目標を17万5000人に引き上げた。これを好感して株価は最高値を更新した。

 新型コロナウイルスはGAFA(グーグル、アップル、米フェイスブック、アマゾン)に代表される巨大ハイテク企業にどのような影響を及ぼしているのだろうか。最近1週間の動きは、それをのぞかせてくれる。強固な財務力、そして人と人の距離を一定に保つ「ソーシャル・ディスタンス」の必要性が増したことでデジタル需要は増大した。

 巨大ハイテク企業はこの危機を乗り切るうえで、他の多くの企業よりも有利な立場にある。とはいえ、これらの企業も影響を完全に回避できるわけではない。ハイテク界のリーダーたちは今回の危機で自社の業績がどの程度影響を受けるか思案している。これから2週にわたり続く1~3月期決算の発表が、彼らの考えを知る、最初の手がかりとなるだろう。

続きを読む 2/3 市場の関心は5G対応iPhone

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