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新型コロナウイルス感染が広がる中、定期収入を持たない人や在宅勤務ができない人が痛手を被っている。マイクロソフトは、社員の在宅勤務が増え、仕事が減ったシャトルバスの運転手に給与を保証する措置を打ち出した。政府と社会はこうした動きを支援し、良識ある企業だけが負担を負うことのないようにすべきだ。

待遇改善を求めるギグワーカーらの声が高まっている(写真=AP/アフロ)

 ギグエコノミーがぐらついている。企業は長年にわたって、契約社員や臨時雇用者を使うことでコストを削ってきた。福利厚生費や社会保障にかかる費用を最小限に抑えることができるからだ。

 だがフランスや英国、米ニュージャージー州では、「こうした労働者は自営業者である」という企業側の主張を裁判所や規制当局が退けている。米カリフォルニア州は2019年、こうした労働者たちにさらなる保護を与える画期的な法律を成立させた。

 新型コロナウイルス(COVID-19)の感染が爆発的に広がる中、この問題が最優先に取り組むべき懸念事項として浮上している。イタリアでは全土で移動制限が発動された。他の国でも従業員に対して在宅勤務を要請する動きが広がる。こうした中、家で働くことのできない労働者が苦しむさまが浮き彫りとなってきた。

 消費者は、病気になっても有給休暇で休むことができない人々──配車サービスの運転手や食品を配送する人、ITサポートスタッフたち──が気づかぬうちにCOVID-19を広める事態を懸念している。企業によると、そうした労働者と一緒に働く人たちも不安を募らせているという。

 これは深刻な問題だ。ドイツ銀行のアナリストが試算したところ、正規雇用に代わる勤務形態で働く労働者は米国内だけで1500万人に上る。独立した請負業者や、ネット経由で単発の仕事を請け負うギグワーカー、臨時契約労働者などだ。