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中国の国営メディアは、感染地での女性医療従事者の仕事ぶりを異常なほど持ち上げる報道をしている。流産直後に働く人や髪をそった看護師を賛美する報道姿勢に、SNS上では女性たちの怒りがあふれる。緊急事態の中、中国社会の男性至上主義が表面化し、フェミニズムに敏感な一般女性が声を上げ始めた。

中国・武漢への医療支援のため、髪の毛を丸刈りにして送り出される甘粛省の女性医療従事者の動画は、ネット上で多くの非難を浴びた(写真=新華社/アフロ)

 かわいらしい2人のバーチャルアイドルは、中国国民の連帯を深めるだろう──。少なくとも中国共産主義青年団(共青団)はそう考えていた。しかし、中国で人気のSNS、「微博(ウェイボ)」上で共青団をフォローする1300万人のユーザーたちにとっては、嘲笑、そしていら立ちを感じさせるだけのキャラクターとなってしまったようだ。

 女の子は「江山嬌(愛らしい中国)」、男の子は「紅旗漫(あふれ出る愛国心)」と、2人の名前はいずれも毛沢東の詩に由来する。だが、彼らの姿は数時間でインターネット上から消えた。

 それでもなお、しばらくの間、多くの女性たちが江山嬌を非難し続けた。中国女性の置かれた立場は、「愛らしいもの」とは程遠いと、やり玉に挙げられたのである。