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米国で、太陽光発電事業者が電池(バッテリー)を導入する動きが相次いでいる。年内にも2倍の4800メガワット(MW)に達し、2025年までに3万2000MWを上回るとの試算がある。ソーラーパネルなどの価格低下と税制優遇策、規制緩和が投資拡大を促す。

 太陽光発電は日中にしか使えない、という時代は終わった。

 投資の波が押し寄せて、大規模なバッテリーパックを備える太陽光発電設備の建設が米国の各地で進んでいる。日中に発電した電気の余剰分を蓄えておき、人々が帰宅して電灯や家電、エアコンを使用する夜間に電力を供給することができる。

 こうした「太陽光発電+バッテリー」のプロジェクトに多額の資金を投じているのはファンドマネジャー、電力生産者、電力会社のほか、大量のエネルギーを消費するテック企業などだ。このような投資が、柔軟性に欠ける米電力市場に余裕を与えるとともに、再生可能エネルギーによる発電に急拡大の道を開いている。

 カリフォルニアからフロリダに至る米国の各州において、太陽光発電とバッテリーを併せ持つ設備の計画が次々と発表されている。直近では2月中旬、テネシー川流域開発公社(TVA)が、50メガワット(MW)のバッテリーを伴う200MWの太陽光発電プロジェクトをミシシッピ州で開始すると発表した。TVAは、水力発電ダムや石炭火力発電所、原子力発電所を運営する政府系電力会社だ。

パネルと電池の価格が低下

 調査会社の米ブルームバーグ・ニュー・エナジー・ファイナンス(BNEF)と、持続可能なエネルギーのための経済人会議(BCSE)によると、過去10年間でソーラーパネルの価格が77%、リチウムイオン電池の価格が87%低下した。このため、太陽光発電+バッテリーのプロジェクトが経済的に可能になった。中には天然ガス火力発電よりも安価な電力を提供できるプロジェクトも存在する。

 「太陽光発電とバッテリーによる電力供給の市場は爆発的に伸びている」。コンサルティング会社グリッドストラテジーズのロブ・グラムリック社長はこう語る。「この劇的な成長ぶりに誰もが驚愕している」