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ダイヤモンド原石の価格がこの1年で15%ほど下落している。発端はインドの大規模中間業者による詐欺疑惑。銀行が中間業者への融資を引き締め、原石需要が減退した。影響はデ・ビアスをはじめとする採鉱会社にも及ぶ。業績の回復時期については意見が分かれる。

ディアマンテールの9割はインドに拠点を置く(写真=Press Association/アフロ)

 ダイヤモンド採鉱会社がダイヤモンド原石の販売落ち込みに苦しんでいる。その背景には圧倒的な世界シェアを握るインドのダイヤモンド研磨産業への融資が細っていることがある。

 ニラブ・モディ氏は宝石業界で名をはせてきた人物。女優のケイト・ウィンスレットさんも同氏の顧客だ。

 そのモディ氏が2018年、インド国営銀行2位のパンジャブ・ナショナル銀行(PNB)から20億ドルをだまし取った容疑がかけられ、国外逃亡した。それ以降、銀行はディアマンテールへの融資を大幅に絞り込んだ。ディアマンテールは、ダイヤモンドのカットや研磨、取引に携わる企業や人々を指す。

 「銀行は宝飾品業界をブラックリストに載せた」。シャンティブハイ・パテル氏はこう嘆く。同氏はインド・グジャラート州に拠点を置くインド貴金属・宝石商連合社の代表を務める。同州はダイヤモンドのカット・研磨産業の中心地だ。

 資金の逼迫を受けてディアマンテールは、英デ・ビアスや英豪資源大手リオ・ティント、英ジェム・ダイヤモンズなどダイヤモンド生産者からの買い付けを減らしている。その結果、これらの生産者の売上高や利益率まで落ち込むことになった。