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香港の騒乱は暴力の度合いを強めているが、中国政府は介入の結果を恐れ今も軍の投入を控えている。しかし習近平国家主席の強硬姿勢は明らかで、台湾など、中国の周縁部にいる人々は神経をとがらす。新疆ウイグルでは弾圧で抵抗が抑え込まれており、習主席の望む「調和」の実現にはほど遠い状況だ。

11月24日に実施された香港の区議会選挙には、多くの市民が投票に出向いた。香港市民の多くが、抗議活動に対して支持を表明している(写真=ロイター/アフロ)

 11月中旬、香港理工大学のれんが造りのキャンパスは、10代を含む数百人の若者たちの手により要塞と化していた。大学が警官隊に包囲され、攻撃を受けたときも、黒い服と黒いマスクに身を包んだ多くの若者たちは構内で抵抗を続けた。

 警官隊はゴム弾を撃ち込み、放水車から青く染めた水を浴びせかけた。若者たちは身をかがめながらガラス瓶に燃料を入れ、布の導火線を詰めて火炎瓶を作っていた。若者の一人が弓で放った矢が警官の脚に当たったという知らせに、多くの歓声が上がった。

 香港の反政府デモは開始から5カ月以上が経過し、人命が失われる事態へと発展している。

 警官隊に突入された香港理工大学では、多くの抗議活動参加者が疲れ果てて投降した。年少の投降者には安全な退避路が用意された。幸いなことに、差し当たり大規模な流血の惨事は避けられている。

 しかし、危難は続いている。この記事の執筆時点で、一部の抗議者はキャンパスからの退出を拒否しているし、市内のほかの場所でも抗議活動が続いている。デモが始まった頃の6月には推定200万人が集まったこともある抗議活動だが、今ではそれほどの数は集まらない。代わりに破壊や火炎瓶を投げるといった行為が増えた。抗議活動は暴力化しているが、一般市民の支持は相変わらず高い。火炎瓶を投げる過激な活動家に対してさえもだ。