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米ウィーワークの親会社が上場を延期したことがきっかけとなり、投資家のIT企業に対する評価が厳しくなってきた。結果を出せない企業の株は大きく売られ、ウーバーのようにビジネスモデルの見直しを迫られるケースも出始めている。企業のIT投資や個人消費が最も増える第4四半期に入り、IT企業の業績は正念場を迎えている。

ウィーワークの親会社の上場延期で米IPO市場は曲がり角を迎えている(写真=ロイター/アフロ)

 これまでの株価上昇は、何だったのか──。多くの企業が未来に投資するよりコスト削減で利益を絞り出そうとするこの時代、IT(情報技術)セクターだけは上昇銘柄に飢える投資家たちに活気を提供してきた。

 だが9月末から10月初めにかけての株式相場の落ち込みは、こうした状況に変化が出始めていることを改めて示した。これから数週間、企業は第3四半期の決算シーズンに入る。投資家にとっては、従来の評価を見直すためのいい機会になるだろう。

 「市場の求めに応じて株価は上がったが、とんでもない代償を払っているのではないか」「経済が減速する中、この勢いはあとどれだけ続くのか」現在、投資家の心にはこのような疑問が出始めている。

 先月、オフィスシェア大手の米ウィーワークの親会社がIPO(新規株式公開)をとりやめた。この影響は未公開株市場へと広がり、成長局面にある企業の多くが上場せず未公開のままでいることを望むようになった。成長株への投資に関し、これまで金に糸目をつけなかった投資家たちは、ここにきてはっきりと現実を直視するようになった。ウォール街は、こうした新興企業を救うつもりなど、毛頭ないのだ。

 単なる成長企業から、フリーキャッシュフローを生む力で評価される企業へと変わるのは決して簡単なことではない。しかし、今となっては必ず達成しなければならない状況に追い込まれつつある。