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環境保護を訴えるグレタ・トゥンベリさんの国連演説が人々の胸を打った。気候変動は経済にも影響を及ぼす。洪水が慢性化し、保険料が高騰、住宅ローンの焦げ付きを生みかねない。保険会社、ローン会社、住宅オーナーはすぐにもこのリスクを織り込むべきだ。

「私たちを裏切るなら決して許しません」と訴えるグレタさん(写真=AFP/アフロ)

 16歳の環境活動家、グレタ・トゥンベリさんが話題をさらった。9月23日、国連が米ニューヨークで開催した「気候行動サミット」に登場し、気候変動への迅速な対応を涙ながらに訴えた。

 実に感動的な演説だった。投資家たちがこれで「目を覚ます」ことができないならば、別の材料も提示できる。国連が支援する、「責任投資原則(PRI)」と呼ばれるイニシアチブ推進団体がリポートを出し、「今日の金融市場は、気候変動に対応すべく近々取られるであろう政策を十分に織り込んでいない」と警告したのだ。

 PRIは「対応の遅れが原因で、市場は2025年までに強引かつ無秩序な状態に突然陥るだろう」と予測する。つまりは市場はショックに見舞われるというのだ。PRIには世界各国から約500の資産管理会社が参加している。

 この表現では曖昧すぎて意味が分かりにくいかもしれない。「無秩序な」価格の見直しが起こり得る地域の例をいくつか、米コンサルティング大手マッキンゼー・アンド・カンパニーのディコン・ピナー氏が国連に提示している。例えば米フロリダ州などの沿岸地域では、住宅資金の貸し手となっている金融機関や保険会社、住宅所有者が資産価格ショックに見舞われる可能性がある。スペインや南仏、ギリシャ、イタリアなど、干ばつが驚異的に増えることが予想される地域も同様だという。