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トランプ米大統領が、2020年の大統領選に際し、外国政府からの干渉を受けても構わないと「公言」している。外国からの支援があった場合に受け取るのみならず、外国政府にあからさまな圧力をかける用意も始めている。来年の選挙では是が非でも勝利したいとするトランプ氏の考えが、外国からの干渉を招く「土壌」を作り出している。

次の大統領選に勝利しなければ、投獄されるリスクもあるだけに、トランプ氏は何としても再選したいと考えている(写真=ユニフォトプレス)

 ちまたでいわれるように、ドナルド・トランプ米大統領の発言は、真剣かつ文字通りに受け止める必要がある。米国では3期、大統領を務めることは憲法で禁止されている。にもかかわらず、トランプ氏は2024年の大統領選で確実に勝利する自身の見立てについて、何度も口にする。

 最近も、米国が26年FIFAワールドカップをカナダ、メキシコと共催する時には、まだ大統領でいなければならないとサッカー関係者に語ったところだ。もちろん、そのように語った後、「冗談だ」と付け足すことを忘れないが、しばらくすると再びこのテーマを持ち出す。この1週間で2回も同じ話題に触れた。一度はノースカロライナ州の遊説において。もう一度はツイッターでだ。

 米国民は、これを単にトランプ氏の冗談と受け流すべきだろうか。だがそうするには大きなリスクを伴う。米国ではいまだかつて、再選か、さもなくば投獄かという場面にさらされた大統領はいない。仮にトランプ大統領が敗北すれば、様々な罪でニューヨーク州南部から実際に訴追されるか否かなどは大きな問題でなくなってくる。重要なのは、トランプ大統領自身が投獄される恐れがあると考えているかどうかだ。日ごろの言動から見るに、どうやらトランプ氏は来年の選挙で勝利を収めることが是が非でも必要だと考えているようである。

 このことは16年の大統領選挙のようなことが再び起こる土壌が作り出されるということでもある。大統領のロシア疑惑を特別検察官として調査したロバート・モラー氏は、トランプ陣営がロシア政府と共謀した証拠を認定できなかった。だがモラー氏の報告書は、ロシア政府が支援を申し出たならば、それがどんなものであったとしても、トランプ陣営は喜んで受け取っただろうことを示している。