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中国で中古品の売買を仲介するオンラインプラットフォームが急成長しており、投資家も積極的に資金を投じている。若年層中心に中古品の購入に抵抗を示さない消費者が増えたほか、経済成長の鈍化も市場拡大の背景にある。現在、最もメジャーなのは中古車市場だが、ラグジュアリーや携帯電話など、他分野にも裾野は広がりつつある。

中古車販売の増加は、低価格車の販売動向に影響を与えている(写真=Kevin Frayer/Getty Images)

 中国人のチャン・シャオさん(29)は中古品が大好きだが、母親にはそれを理解してもらえないという。「母が中古の品物を買うことは絶対にありません」。中国では何世代にもわたり、中古品を買うことは不名誉なことだとされてきた。「質の悪さ」や「貧困」の代名詞だったからだ。だが北京在住のチャンさんのように中国の若い消費者たちは中古品市場にすっかり取り込まれている。今やiPadから衣類に至るまで様々な中古品が売買されている。売買を仲介するオンラインプラットフォームの存在が、こうした動きに拍車をかける。

 北京に拠点を置くシンクタンク、中国インターネット経済研究センターは、中国における中古品の売上高は来年には1兆元(約15兆円)に達すると予想している。これは2017年と比べると2倍の規模だ。投資家たちもこうした動きに追随する形で自動車から高級ハンドバッグに至るまで、中古品を扱うアプリやサイトに何十億ドルという資金を投じている。

 この数十年間、中国の個人消費は拡大の一途をたどったが、それはすなわち再販価値の高い中古品の蓄積もまた膨大であることを意味する。個人間・地域間の貧富の格差も広がっているため、「誰かにとっての不要品」が「他の誰かには宝物」となる状態が生じている。

 中国の消費者が中古品を受け入れるようになったことで、多国籍企業は難題に直面している。消費者側の視点でコンサルティングを手がける、チャイナ・スキニーのマーク・タナー氏の言葉を借りれば、今後企業は「あらゆる製品において、他社製品のみならず中古品をも意識した販売競争を展開していかなければならない」からだ。