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原因は米国経済の変質

 このように相反する徴候は、異常なほど緩慢な経済成長が長期にわたり続いていることの表れだ。異常な景気拡大局面は、80年ぶりの深刻な金融危機の後遺症と見る面もあるが、21兆ドル(約2300兆円)規模の米国経済が深いところで変質しているせいでもある。成長は緩慢とはいえ、経済活動がサービス産業や無形資産に移行したため、安定してきているとも言える。金融システム崩壊の記憶も新しく、規制が強化されているので、でたらめな住宅ローン貸し付けや過剰投資、無謀な金融機関などが復活する様子はほぼない。インフレは特に抑制されている。

 こうした要因から、穏やかな拡張が歴史的な水準をはるかに超えて続く可能性はある。しかしそれは、好景気の終わり方もまた、過去とは違ったものになることを示唆する。