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中国がテクノロジーベンチャー株を扱う新市場「科創板」の準備を進めている。中国のVC投資の減速と米国との貿易戦争を背景に、国内貯蓄をテクノロジー分野の強化に誘導する狙いだ。上場の基準は緩く、既に100社以上が上場を申請している。他方、リスクを懸念し静観する企業もある。

科創板を発表するセレモニー。左から2人目は劉鶴副首相(写真=新華社/アフロ)

 中国政府が、米国のナスダックをモデルにした証券市場の準備を進めている。この新市場を通じて、膨大な額に上る国内貯蓄をテクノロジー企業への投資に誘導する狙いだ。背景には、VC(ベンチャーキャピタル)投資の減速と米国との貿易戦争によりテクノロジー業界が低迷している現実がある。

 上海証券取引所に開設される「科創板(スター・マーケット)」には、AI(人工知能)ソフトウエア開発からバイオ、半導体に至る様々な分野から100社超が既に上場を申請。彼らが見込む調達額は合計160億ドル(約1兆7400億円)に上る。英調査会社リフィニティブによると、上海証券取引所に2018年に上場した企業の調達額は117億ドルだった。

 科創板は数週間以内に取引を始める見通しだ。中国政府は、急成長するベンチャーに米ナスダックよりも高い価値評価を得る機会を与えれば、この新市場が選ばれると期待している。

 政府は同時に、巨額の資金を抱える中国の資産管理業界に新たな投資先を与えたいとも考えている。主要市場である上海や深圳の証券取引所では、金融銘柄や工業銘柄が大半を占める。これらの証券取引所と異なり、新市場は空売りも認める。