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宇宙空間上に漂う人工衛星などの残骸や金属片、いわゆる「宇宙ごみ」への対処が喫緊の課題となっている。宇宙ごみの除去をめぐっては、新興企業がさまざまな技術を開発しており、日本のアストロスケールはその代表格。だが、国家の利益と深いつながりを持つ分野だけに、各国は企業への関与を深めるべきと専門家は警告する。

アストロスケールには三菱地所など大手企業も出資する(写真は岡田光信CEO)(写真=つのだよしお/アフロ)

 宇宙において今、新たな「競争」が始まっている。スペースデブリと呼ばれる宇宙空間上に漂う人工衛星などの残骸や金属片の処分方法をめぐる開発競争だ。宇宙開発が60年以上の歴史を持つようになった今、何百万ものこうした「宇宙ごみ」が軌道上を漂っていて、人工衛星や宇宙ステーションの安全を脅かしている。だがこの問題は同時に、航空宇宙産業に新たなビジネスチャンスをもたらしている。そして、この分野で最も潤沢な資金を得た企業がアジアにある。

 「宇宙をきれいにすることは極めて重要だ」と、宇宙ごみの除去に挑む日本企業、アストロスケールの創立者でCEO(最高経営責任者)を務める岡田光信氏は力説する。そして「人々は地球温暖化や海洋汚染の問題についてはよく理解している。だが宇宙ごみの問題については何も知らない」と続ける。