ソフトバンクグループが、2年前に設定したビジョン・ファンドの第2号を立ち上げるべく動き始めた。しかし、サウジアラビアの地政学的問題などから、特定の投資家に出資を頼るやり方はもうできない。孫正義氏の独断に基づく投資手法も問題があると懸念されており、ガバナンスの見直しも求められている。

<span class="fontBold">孫正義氏は、ビジョン・ファンドに次々と有名スタートアップ企業を組み入れている</span>(写真=Rodrigo Reyes Marin/アフロ)
孫正義氏は、ビジョン・ファンドに次々と有名スタートアップ企業を組み入れている(写真=Rodrigo Reyes Marin/アフロ)

 2016年9月、日本のソフトバンクグループ(SBG)の会長兼社長、孫正義氏はサウジアラビアのムハンマド・ビン・サルマン皇太子(当時は副皇太子)に面会し、テクノロジーがサウジの未来をどのように変えるか、とうとうと語った。このとき、出資を請われたムハンマド皇太子はソフトバンク・ビジョン・ファンド(SVF)に450億ドル(約5兆円)出資すると約束した。

 それは史上まれに見る大規模な投資話の始まりだった。「45分で450億ドル。だから1分で10億ドル(約1100億円)だ」と孫氏は大喜びだったという。

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