すべての株式は等しく1票の議決権を持つ──この株主民主主義を踏みにじる上場が増えている。創業者の持ち株に多くの議決権を与えているのだ。はたして創業者による経営は長期的に見て有効なのか。教訓にすべきはウーバーだ。迷走した創業者から経営権を奪い、1株1票で上場する方針だという。

米リフトは、創業者2人が所有する株式に通常の20倍の議決権を与える計画だ(イラスト=Ingram Pinn)

 米配車アプリのリフトが3月1日、上場に向けた計画を発表した。上場後の市場時価総額は250億ドル(約2兆8000億円)に達するとみられる。この計画の内容を知った時、筆者の頭にまず浮かんだのはジョージ・オーウェルの小説『動物農場』だった。

 株式上場という典型的な資本主義の活動を、共産主義時代のロシアを農場に例えた寓話に重ねるのは不自然に思われるかもしれない。しかし、200ページを超えるリフトの上場申請書類に盛り込まれていたのは、CEO(最高経営責任者)のローガン・グリーン氏と社長のジョン・ジマー氏に、一般に売り出す株式の20倍の議決権を持つクラスB株式を付与する計画だったのだ。

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