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AIは人間と異なり、常に同じ基準で同質の判断を下す優位性を持つ。だが、その判断を下す過程はブラックボックスだ。こうした特性を持つAIの判断を向上させるべく、学習するデータの質にこだわる取り組みが始まった。

AIが支援する初のスーパーが18年末に開店した(写真=Imaginechina/アフロ)

 アルゴリズムが人々の生活に及ぼす影響をめぐる初の重要な裁判の一つが争われたのは2012年のことだった。米アイダホ州で、メディケイド(低所得者向け公的医療保険)の支給をおよそ4000人の身体障害者に限定すべき、との判断をコンピューターシステムが下した。この正当性が争点となった。このシステムがアクセスするデータベースは情報が欠落していたり、間違いを含んでいたりした。

 それから6年、このシステムは修正されぬまますでに使用されなくなっている。だがシステムコストが大幅に低下したのを受けて、かつては人間がしていた判断をシステムにさせようと、企業や公共団体が同じようなシステムを開発する動きが大々的に広がっている。