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台湾で独自の主権を主張する民進党が2016年に政権を握って以来、中台関係は冷え込んでいる。政府間の協力は狭い分野に限られ、旅行者や留学生は激減し、学者間の交流も制限されている。中国共産党は民進党を相手にさえしようとしない。だが、お互いに対する無知は危険な状況を招く。

中国共産党は、現在の台湾総統、蔡英文氏(左)および与党である民進党の存在を認めておらず、彼らの考え方を理解しようとしない(写真=左:AFP/アフロ、右:代表撮影/ロイター/アフロ)

 仮に中国の指導者が台湾侵略を決めたとしよう。恐ろしい想定だがあり得る話だ。その際、彼らは2つの疑問を明らかにしておく必要がある。

 1つ目は、中国の人民解放軍が台湾軍(中華民国国軍)に勝てるかどうかだ。台湾側は、ほぼ人民解放軍が勝つだろうが、100%確実に勝利を手中に収めることはできないだろうと見ている。

 2つ目は、台湾の一般市民が中国に従うかどうかというものだ。

 中国の指導者たちは、台湾人の意見を一定の忍耐を持って受け入れ、2300万人が民主主義の下で暮らすこの島に対し表向きは寛大な態度を示してきた。「一国二制度」というスローガンの下、大幅な自治を認めるとともに、中国という巨大市場へのアクセスを許している。70年前に台湾と中国で生き別れになった家族の再会に対する甘い対応も、中国側のこうした姿勢を裏づける。