英国がEUから、合意のないまま離脱する公算が高まる。実現すれば英国とEUとの絆が永遠に断たれかねない。これを回避すべく、再度の国民投票が求められる。2016年の国民投票は適切な選択肢を示していなかった。新たな国民投票の選択肢は「合意なき離脱」「メイ案」に加え、「残留」を入れるべきだ。

果たして、英国がEUから離脱する価値はあるのか?(写真=AFP/アフロ)
果たして、英国がEUから離脱する価値はあるのか?(写真=AFP/アフロ)

 英国の欧州連合(EU)離脱をめぐって何が起ころうとしているのか。皆さんと同じように、筆者にもその答えは分からない。だが何をすべきかは分かる。英国は2回目の国民投票を実施すべきだ。

 多くの残留派の人々と異なり、筆者は2回目の国民投票で「残留」が熱狂的に支持されるとは考えていない。逆に、この投票がもたらす危険性について十分に認識している。

 だが離脱派が非合理的な行動に終始している以上、2回目の国民投票以外に選択肢はない。彼らが妥協を受け入れようとせず、「合意なき」離脱という破滅的な選択肢をあくまで追求する限り、再度の国民投票を有権者に呼びかける以外に方法はないのだ。

この記事は会員登録で続きをご覧いただけます

残り2634文字 / 全文3137文字

日経ビジネス電子版有料会員なら

人気コラム、特集…すべての記事が読み放題

ウェビナー日経ビジネスLIVEにも参加し放題

バックナンバー11年分が読み放題

この記事はシリーズ「世界鳥瞰」に収容されています。WATCHすると、トップページやマイページで新たな記事の配信が確認できるほか、スマートフォン向けアプリでも記事更新の通知を受け取ることができます。