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2011年に史上最高値をつけた後、軟調な動きだった金価格が投資家のリスク回避志向の高まりで上昇に転じた。米利上げの停止観測や、景気減速感の高まり、米債務増大で、安全資産としての金に資金が集まっている。価格押し上げの材料は多いが、1300ドルの節目を超える動きは見られず、上昇は限定的との声もある。

金ETF購入を通じた現物保有高は、過去最高に並ぶ勢いだ(写真=ロイター/アフロ)

 金価格の動きから判断するに、投資家たちは世界情勢に対する懸念を強めている。株式市場の乱高下、そして世界経済の減速懸念を背景に、金価格は昨年8月以降上昇基調となり、10%値上がりした。上昇率は、他の貴金属と比べても高いものとなっている。

 こうした最近の価格上昇は、ここ2年間の値動きとは対照的だ。金に大量の資金を注ぎ込んでいた投資家や、バリック・ゴールド、ニューモント・マイニング、ゴールドコープといった金鉱株は過去2年間、ずっと痛手を被っていた。米国の金利上昇、ドル高、株式市場の好調が逆風となっていた。

 2018年初めに米国株が調整局面にあった際も、金に資金は集まらず、価格は反騰しなかった。