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2019年の世界の政治経済を安定させるために5つの条件を満たす必要がある。米中貿易戦争や中国債務問題など経済問題の行方に加え、欧州議会選の動向がカギを握る。意外かもしれないが、広範な分野に影響を及ぼすのはロシアゲート疑惑をめぐる捜査の行方だ。

バリー・アイケングリーン氏
米カリフォルニア大学バークレー校教授。国際経済学(特に国際通貨体制)、経済史の第一人者。2018年6月、ポピュリズムの歴史などを考察する『The Populist Temptation』を出版した。
トランプ氏に影のように寄り添うマイケル・コーエン氏(中央)。ロシアゲート疑惑のカギを握る人物で、2月には議会公聴会に臨む(写真:ロイター/アフロ)

 2019年が経済的、金融的、政治的に安定した1年となるためにはどんな展開が必要だろうか。安定を揺るがすであろういくつかの事柄が回避されなければならない、というのがその答えだ。

 まず、米中の貿易戦争が落ち着く必要がある。18年の11月から12月にかけて金融市場は、両国の動向に一喜一憂した。交渉による和解の兆しを両国が見せれば好感し、敵意ある言葉を発すれば悲観した。

 これは無理もないことだ。関税が課されれば貿易の流れとサプライチェーンが混乱し、世界的な成長に支障が出る。また周知の通り、金融市場で起こる出来事が与える影響はこの市場の内にとどまらない。消費者マインドと企業心理を大きく左右する。

 第2に、米国経済は最低でも2%の成長を遂げなければならない。この値は複数のアナリストのコンセンサスで、投資家の予測にもすでに織り込まれている。