取引先や供給網が複雑に入り組んだグローバル経済。企業は思わぬ人権侵害リスクに囲まれている。強制労働や児童労働、女性や性的少数者、障害の有無による差別や偏見──。配慮すべき権利を軽んじれば、企業は訴訟や不買運動など代償を支払う。欧州や米国では企業の人権侵害を防ごうと、法制化が進む。企業経営者はこの難題に萎縮するのか、奇貨とするのか。先進企業は多様性を重んじ、新ビジネスの起点にしようと奮闘している。攻めの人権経営に踏み出す企業を、社会、顧客、投資家は歓迎するだろう。さあ、今こそ第一歩を踏み出そう。(写真=Vitalii Barida/Getty Images)
(バンコク支局 奥平 力、鳴海 崇、小原 擁、薬 文江)
CONTENTS
PART1
ミャンマー“現代奴隷”の実態に迫る
今そこにある人権リスク 企業脅かす経営の死角
PART2
脱・児童労働のカカオ豆、障害者が楽しめるゲーム
タブーからチャンスに 攻める企業は先へ行く
PART3
英国が現代奴隷法、ドイツは供給網の調査法
世界で進む人権法制化 日本はすでに周回遅れ