言論統制を敷く中国が、ChatGPTに対抗する対話型AIを開発中だ。台湾問題などで中国寄りの論調を広めるのではないかと台湾当局が警戒する。外国人もAIで楽に日本文を作れる時代となった。我々も世論工作に要警戒だ。

米オープンAIが開発した対話型AI(人工知能)「ChatGPT」に「中国当局は新疆ウイグル自治区でウイグル族をどう扱っていますか?」と問いかけると、中国指導部の神経を逆なでしそうな回答ばかりが出てくる。
「中国政府がウイグル人に対して異常な監視や強制収容所を設置するなど、人権侵害の報告が相次いでいる」「宗教的・文化的な習慣や伝統的な生活様式が、中国政府によって禁止され、弾圧されているとの報告もある」……。
ChatGPTが何を参考に回答しているかを調べてみると、米公共ラジオNPRや外交関連の米シンクタンクCFR、英公共放送BBCなどがインターネットで配信しているウイグル関連の記事のようだ。新疆ウイグル自治区での人権侵害を問題視する、米英をはじめとする西側諸国の価値観を反映した回答文が生成されるのはそのためだ。

ウイグル族への人権侵害をかたくなに否定する中国政府にとって、ChatGPTが示す見解は当然、容認できない。
ChatGPTなどの対話型AIについて、中国の王志剛科学技術相は2月24日の記者会見で、「科学技術には二面性があり、新たな技術に対しては倫理面で対応措置を取っていく」と語り、警戒感をにじませた。
これまでも中国政府は、政治的に不都合な情報が国内で出回らないように、西側メディアが運営するニュースサイトの閲覧を制限したり、フェイスブックやツイッターなど、西側のSNS(交流サイト)の利用を禁じたりしてきた。ChatGPTも例外ではなく、中国国内では利用できない状態が続く。
Powered by リゾーム?