「ゼロコロナ」政策の転換により、人の移動など経済活動が正常化に向かいつつある中国。世界経済のけん引役として期待がかかるが、エネルギー需給などへの影響はどうなるのか。

 「連日満席になって涙が出るほどうれしいよ」。中国・上海市内で中華料理店を営む中国人男性は、足元の客足に笑顔を見せる。2022年12月上旬に新型コロナウイルスの完全封じ込みを狙った「ゼロコロナ」政策を大幅に緩和した中国。方針転換直後には感染が爆発した北京や上海などの大都市は「ゴーストタウン」の様相を呈していた。

 ただ23年1月に入ると都市部での感染は落ち着き、街中は「陽康」と呼ばれる感染から回復した人であふれている。上海で人気のショッピング街「淮海路」では、マスクを着用していない若者も多く見かけるほどだ。

 中国疾病予防管理センターの専門家は1月21日、人口の8割に当たる約11億人が感染したという分析をSNSに投稿するなど、中国は急速に集団免疫を獲得しつつあるようだ。劉鶴副首相は1月に開催された世界経済フォーラムの年次総会(ダボス会議)で、「中国でコロナの感染ピークは過ぎた」と勝利宣言した。

春節を前に旅客で混雑する北京の鉄道駅。「ゼロコロナ」が解除され3年ぶりの帰郷となる人々も多そうだ(写真=AFP/アフロ)
春節を前に旅客で混雑する北京の鉄道駅。「ゼロコロナ」が解除され3年ぶりの帰郷となる人々も多そうだ(写真=AFP/アフロ)

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