弱肉強食の世界で一定の規律を保つため設けられる規制。それは強きを制限する“鎖”であり、弱きを守る“傘”でもある。自由競争を是としてきた戦後の国際秩序は、対立する大国の思惑に左右されて、新たな規制の網に覆われつつある。目まぐるしく変化するルールの波に日本は翻弄されてきた。だが、この激動期にこそ、新たな好機が生まれるはず。規制を使いこなせばゲームチェンジャーにさえなれるのだ。我々は今日、国際的な規制網のどの盤面に立っているのか。まずは、その立ち位置の理解が欠かせない。(画像=erhui1979/Getty Images)

(鳴海 崇、小太刀 久雄、飯山 辰之介、田中 創太)

CONTENTS

PROLOGUE
覇権国の規制に揺れる日本

PART1
各国で“見えないルール”も避ける時代
経済安保、企業活動に網 海外規制の「域外適用」も

PART2
黙って従うか、抗って変えるか
成長競争に出遅れる 現場に広がる焦燥感

PART3
ルールと戦う企業が見る景色
規制の最前線に立ち道を開く企業家の志

EPILOGUE
企業よ、泥を被る苦痛に備えよ

日経ビジネス2023年1月30日号 8~9ページより目次