新日本製鉄と住友金属工業が合併し、日本製鉄が誕生して10月で10年がたった。鉄鋼業界は供給過剰にあえぎ、中国勢の台頭もあって苦境に立たされてきた。だが、ここにきて日鉄が鋼の収益体質を手に入れ生まれ変わった。国内では生産合理化や、トヨタ自動車に対する強気の値上げを実現。グローバルにはインドやタイで巨額投資を進め、成長への布石を打つ。変革の旗を掲げるのは2019年春に就任した橋本英二社長だ。沈みかけた巨艦はいかに復活したのか。その真相に迫る。

(上阪 欣史)

CONTENTS

PART1
トヨタがのんだ大幅値上げ
負け犬体質変えた日本製鉄の改革

PART2
日本製鉄が支える「鉄は国家」
インドに1兆円、グローバル3.0の野心

PART3
道険し脱炭素
日本製鉄、“静脈”人材に託す

PART4
日本製鉄の改革が示すもの
利益なき顧客最優先を疑え

編集長インタビュー
日本製鉄の橋本英二社長
「危機の真因は10年前の経営統合」

日経ビジネス2022年11月21日号 8~9ページより目次