現場リポート 編
きしむ街、人、制度 課題の現場を歩く
電力を巡って、日本各地でさまざまな問題が噴出している。市場原理の旗振り役、新電力の相次ぐ破綻と、それに伴う電気料金の高騰。環境問題の切り札と期待された風力やバイオマスなどの再生可能エネルギーは、費用負担や環境への影響などで賛否が分かれ、街の分断を招いている。原子力も核ごみ処分問題が未解決で、その受け入れを巡って北海道の街が揺れる。電力問題できしむ、日本各地の現場に記者が足を運んだ。

JR新潟駅から南東へ車で約50分の新潟県阿賀野市。山あいの美しい田園風景のなかを進むと、赤色の三角屋根が特徴的な西洋風の建物が見えてきた。1976年創業の老舗遊園地「サントピアワールド」である。
年1800万円が約2倍に
「電気代は昨年度、約1820万円だったが、今年度は約3580万円。値上げ額の桁が1つ違うのではないかと目を疑った」。サントピアワールドの高橋修園長はこう嘆息する。

同園は2020年4月、新型コロナの感染拡大に伴う政府の緊急事態宣言で休園に追い込まれた。資金繰り悪化を救ったのがクラウドファンディング。窮状を訴えると約5500万円の寄付が集まり、事業停止という最悪の事態を免れた。
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