上司の期待や感謝を感じない

 雇用・労働問題に強い安西法律事務所の荻谷聡史弁護士は、「最近のパワハラ相談を見ていると、上司も部下も気持ちにゆとりがなくなっていることに気づかされる」と指摘する。裏には、バブル崩壊後の「失われた30年」と呼ばれる日本経済の停滞の一方で、世界でも国内でも競争が激化していったことがある。その中で1990年代後半から個人の報酬や昇進の評価に成果主義が導入され、2000年代に入ると急速に浸透していった。

 日本生産性本部の調べによると、1996年に年俸制を導入していた企業の比率は全体の10%だったが、2002年には41%になり、大企業では46%に急伸した。その過程で個人の評価項目から「協調性」のような定性評価や年功の要素は縮小し、業績の比率が急激に大きくなっていった。上司も部下も、短期的な成果を求めて常に追われるように働かざるを得なくなってきたのである。

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