1872年10月14日に新橋~横浜間に鉄道が開業してからちょうど150年を迎える。そして今年は、国鉄分割民営化から35年という節目の年でもある。しかし、関係者の間にお祝いムードはない。新型コロナウイルス禍による利用の激減は、鉄道が抱える課題を浮き彫りにした。乗客がほとんどいない赤字ローカル線、一向に整備が進まない新幹線やリニア。日本の鉄道はこれからどこへ向かおうとしているのか。今、まさに大きな分岐点に差し掛かっている。(写真=アフロ)

(佐藤 嘉彦、伊藤 正倫、酒井 大輔)

CONTENTS

PROLOGUE
肥薩線は3度死ぬ
廃線に揺れるローカル線

PART1
“国鉄を上回る”赤字に
脱・旅客依存へもがくJR

PART2
崖っぷちのローカル線
存廃の決断待ったなし

PART3
時代の先端生み出せず
不透明な次の50年

EPILOGUE
「鉄道会社」の殻を破れ
目指すは「MaaS」企業

INTERVIEW
JR西日本社長に聞く
JR発足以来の分岐点、個別最適から協調へ

日経ビジネス2022年10月3日号 8~9ページより目次