日本経済の新たなリスクが、水面下で膨らんでいる。それが、身の丈以上の借金に苦しむ過剰債務企業の存在だ。コロナ禍で広がった実質無利子・無担保の「ゼロゼロ融資」の返済が始まり、実質倒産状態にある「ゾンビ企業」が増殖しようとしている。中小企業の倒産の連鎖は地方経済の土台を揺るがし、雇用不安にも直結する。とはいえ、バブル崩壊後と同じように延命に終始すれば、産業の新陳代謝は遅れ生産性向上や賃金上昇の足かせになりかねない。苦境を成長への転機に代えられるか。再生の道を探る。(写真=Radoslav Zilinsky/Getty Images、sarunyu_foto/Getty Images)
(武田 安恵、鳴海 崇、三田 敬大、八巻 高之、馬塲 貴子)
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PROLOGUE
10社に1社との推計も
コロナ融資で延命 過剰債務ゾンビ企業の行方
DATA編
業種、地域、規模……
データで見る「ゾンビ企業」の実態