感染拡大に注意しながらの「ウィズコロナ」を選んだ日本。外食店にも客足が戻りつつある。ところが、売却を模索する店舗の数が急増している。時短営業への「協力金」で何とか延命してきた外食店が閉店予備軍となっている。

東京都調布市の調布駅周辺は、焼肉きんぐ(左)、焼肉の和民(右上)、牛角(右下)など10店舗以上の焼肉店が並ぶ激戦区となっている
東京都調布市の調布駅周辺は、焼肉きんぐ(左)、焼肉の和民(右上)、牛角(右下)など10店舗以上の焼肉店が並ぶ激戦区となっている

 「店は続けたかったが、会社員に戻った方が収入はいい」。東京・調布で焼肉店を経営している男性は2022年4月、店舗売却を決断した。新型コロナウイルス対策の「まん延防止等重点措置」が3月下旬に解除され、時短営業要請への協力金が途絶えたことが決め手の一つとなった。

 開業は20年12月だった。外食店経営に興味を持っていたこの男性は十数件の内見を重ねた結果、家賃が安く、周囲に住宅が多い路面店を選んだ。コロナ禍で、換気しやすい店舗が好まれていた時期だ。「勝ち組」の業態になれると焼肉店を選んだ。

 開業当初から東京都の時短営業の要請があり、「協力金で潤う小型店の典型だった」と男性は淡々と語る。低い家賃が奏功して収支は十分なプラスに。「正直、コロナ禍は苦しいと思わなかった」。都からの協力金は累計で1300万円超に上った。

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この記事はシリーズ「外食に未来はあるか 真の危機はコロナ後に」に収容されています。WATCHすると、トップページやマイページで新たな記事の配信が確認できるほか、スマートフォン向けアプリでも記事更新の通知を受け取ることができます。