日立製作所はITソリューションを強化するため米グローバルロジックを買収した。古い日立を変え、世界で戦っていくための起点になると位置づけてきた。若い企業への日立の評価は高く、事業のノウハウ吸収にも必死になっている。

(写真=AGE FOTOSTOCK/アフロ)
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 米国東海岸にあるマクドナルドの店舗。来店客が向かうのはレジでなく、縦長のタッチスクリーンがあるエリアだ。「パティはビーフで、チーズはあり。ピクルスはなしでオニオンはあり……」。画面に沿ってメニューを選ぶ。

 自分好みのハンバーガーを注文でき、嫌いなピクルスを抜いてもらうのにわざわざ店員に説明する必要はない。ストレスなく自分だけのハンバーガーをカスタマイズできる。

スマートフォンからでも、カスタマイズしたハンバーガーを選択できる
スマートフォンからでも、カスタマイズしたハンバーガーを選択できる

 これは米マクドナルドが2018年から導入しているセルフオーダーシステムだ。開発したのは、IT(情報技術)企業のグローバルロジック。日立製作所が21年7月、約1兆円で買収した企業だ。

 グローバルロジックのスニール・シンCTO(最高技術責任者)は「マクドナルド側の業務効率化だけでなく、個々の消費者に最適なメニューを提供するパーソナライズ化の要素を加えた」と話す。

グーグルやオラクルも顧客

 IDとパスワードを登録すれば、2回目以降の注文時に、以前カスタマイズしたメニューを薦めてくれる。画面のメニューは写真付きで、子供でも操作は簡単。システム導入によってレジ前の行列を見かける回数は減少し、待ち時間も大幅に短縮した。顧客満足度は上昇し、9割超の客が利用しているという。

世界から人材を集めるグローバルロジック
世界から人材を集めるグローバルロジック
●グローバルロジックの概要(写真=日立のロゴ:北山 宏一)
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 グローバルロジックは00年の創業で、米グーグルや米オラクル、韓国のサムスン電子など世界有数の企業を顧客に持つ。22年3月期の売上高は12億8000万ドル(現在の為替レートで約1770億円)で、前の期に比べ38%伸びた。

 取引を広げられている原動力の一つはビジネスモデルにある。経営者の悩みを聞き出し、アイデア出しからソフトウエアの開発まで幅広く手掛けており、DX(デジタルトランスフォーメーション)の波にうまく乗った。冒頭のシステムも、マクドナルドからの相談をきっかけに開発が始まったという。