鉄道開業から150年。JR西日本は新型コロナウイルス禍でかつてない危機にさらされている。データ活用で業務改革するだけでなく、外販で稼ぐ新事業が動き出した。「異端児」の宮崎祐丞が率いる部署に、やる気のある若手社員が続々と集いつつある。

データアナリティクスチームを率いる担当部長の宮崎祐丞(写真中央)と、ポスト公募で異動してきた水田祐貴(左)、河野良祐(右)。(写真=菅野 勝男)
データアナリティクスチームを率いる担当部長の宮崎祐丞(写真中央)と、ポスト公募で異動してきた水田祐貴(左)、河野良祐(右)。(写真=菅野 勝男)

 2022年6月末に開催された自治体向けDX(デジタルトランスフォーメーション)の展示会に、意外な企業がブースを構えた。JR西日本だ。新型コロナウイルス禍で本業の旅客収入が大きく落ち込むなか、データを活用した保守管理やマーケティングなどの外販を始めている。

 主導するのはデジタルソリューション本部データアナリティクス担当部長の宮崎祐丞(47歳)。今でこそ32人の「異能集団」を率いるが、17年6月に技術企画部でデータ活用を命じられた時は、データサイエンスの未経験者4人でのスタートだった。

 「どれもこれも、よう分からん」。さまざまなIT企業から提案を受けたが、そもそも内容が理解できず途方に暮れた。そこでデータ分析を手掛けるスタートアップのギックスを立ち上げていた大学時代の友人に相談。コンペを開くアイデアをもらい、17年末に新幹線車両の着雪量を予測する公開コンペを実施した。

 これが意外な副産物を生む。IT企業に交じって、社員数人が個人的にコンペに参加。しかも2人が上位に食い込んだのだ。彼らの上司に掛け合い、社内に眠る異能を引き抜いた。

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