[画像のクリックで拡大表示]

 都単独で約1400万人、神奈川・埼玉・千葉の3県を合わせた東京圏では約3600万人が暮らす東京。多くの上場企業が本社を構え、大消費地でもある巨大都市は、都が集計する「都民経済計算」によると、2019年度の都内総生産(名目)はドル換算で約1兆600億ドル。各国の国内総生産(名目)と比較すると、インドネシアに次ぎ、オランダを上回る経済規模となる。

 では、国際競争力を「国」ではなく「都市」のレベルで見た場合の東京の立ち位置はどうなるだろうか。

 参考になるのが森ビル系のシンクタンク、森記念財団都市戦略研究所が08年から毎年発表している「世界の都市総合力ランキング」(GPCI)だ。世界の主要48都市のうち、東京は16年にパリを抜いて以来、3位を維持している。20年に東京五輪・パラリンピックの開催を決めたことが、高く評価された理由の一つという。

 同ランキングは、①経済②研究・開発③文化・交流④居住⑤環境⑥交通・アクセス──の6分野70指標のスコア合計点で決まる。東京の場合、ハイスコアが目立つのが「食事の魅力」や「飲食店の多さ」といったグルメに関する指標だ。

 「お・も・て・な・し」

 東京五輪の開催を呼び込んだ13年9月の国際オリンピック委員会(IOC)の最終プレゼンテーションで、滝川クリステルさんが発したフレーズは「ユーキャン新語・流行語大賞」の年間大賞にも選ばれた。実はこのプレゼンで滝川さんは東京がグルメ都市であることにも触れていた。

[画像のクリックで拡大表示]

 世界のレストランを評価する仏ミシュランの星を獲得したレストラン数は東京が203。パリ(118)の1.7倍となる。さらに三つ星のレストラン数でも東京が12でパリの10を上回る。6000円以下で良質な食事ができる店(ビブグルマン)は229、サステナブルな料理を提供する店(グリーンスター)は14ある。日本ミシュランタイヤの須藤元社長は「東京はバラエティーに富んでいるし、グローバルでの食のトレンドセッターになっている」と評する。

次ページ 2強のニューヨーク、ロンドン