ロシアによるウクライナ侵攻や米中の覇権争いは、直接の当事者ではない日本の経済にも大きな影を落としている。農産物や化石エネルギーなど1次産品が品薄となって価格が高騰。世界に張り巡らされたサプライチェーンの寸断や目詰まりにより企業活動は混乱し、国民も負担や不便を強いられている。グローバル化によって21世紀のリスク管理は複雑かつ多様化した。国も企業も、浮上する「経済安全保障」への対応が急務だ。(写真=PIXTA)

(岡田 達也、中山 玲子、藤中 潤、森 永輔)

CONTENTS

PART1
「データや人権の保護」は先送り
起動した「推進法」 それでも課題は目白押し

PART2
権威主義国、気候変動や自然災害、労働人口……
こんなにある内憂外患 供給網が示す新リスク

PART3
エネルギー、食料、技術と人材
対策実行待ったなし 今喫緊の3テーマ

専門家に聞く
ウクライナ大統領の「つぶやき」から学ぶこと
手塚 悟 [慶応義塾大学 教授]
「経済」はそもそも安全保障の柱だった
北村 滋 [前国家安全保障局長・内閣特別顧問]

PART4
供給網強化に走るロームとデンソー
最前線の主役は企業 リスク管理で再武装を

日経ビジネス2022年7月4日号 8~9ページより目次