中国が量子コンピューターの開発に多額の資金を投じ、先行する米国を猛追する。日本は突出した関連技術を一つでも多く開発せねば、米中のはざまで埋没しかねない。理化学研究所が新しい研究拠点を立ち上げるなど、巻き返しが始まった。

(写真=左:Science Source/アフロ)
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 1962年9月12日、米ライス大学のフットボールスタジアム。強い日差しの下、演壇に立つジョン・F・ケネディ米大統領に全聴衆の視線が注がれていた。演説が中盤に差し掛かり、ケネディは後世に残る有名な「宣言」を口にする。

 「われわれは60年代のうちに人類を月に送る。簡単ではない。困難だからこそ挑戦するのだ」

 聴衆の心は震えたに違いない。

 東西冷戦が真っ盛りの当時、米政府は共産圏を率いていたソビエト連邦と、有人宇宙飛行を筆頭に、核エネルギー、超音速飛行などのさまざまな先端科学技術で激しい開発競争を繰り広げていた──。

 それから半世紀余り。世界の覇権を争う2つの超大国は、いつの時代も威信をかけて科学技術競争を繰り広げる宿命にあるのかもしれない。

量子技術が国力を左右する

(写真=新華社/アフロ)
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