多くの先輩、少ない同期。氷河期世代は肩身の狭い思いをしてきた。組織の中核となる年ごろを迎えたが、絶対数が足りない。マネジャー層の不足に悩む企業では一部、取り合いの様相も呈している。

 1993~2004年に学校卒業期を迎えた世代を指す──。政府が支援策を講じるに当たって定めた氷河期の定義だが、12年間にも及ぶことに、驚かれる読者も多いのではないか。氷河期には大きく分けて前期と後期があり、その就職難の性格も異なる。

2000年前後に「超氷河期」

 まず、前期については景気低迷による業績悪化というよりは、バブル期の過剰採用の反動が、各企業を採用抑制に向かわせていた時期だといえる。内定者の囲い込みを狙った高級料理店での接待や海外旅行への招待も当たり前だった超売り手市場から状況は一変。1994年には就職氷河期という言葉が新語・流行語大賞にノミネートされている。

 97年の山一証券と北海道拓殖銀行の経営破綻によって、金融不安が表面化すると雇用環境は一層いてつく。2000年3月卒をめぐっては求人倍率が1倍を割り込む。ITバブルの崩壊も追い打ちをかけた。100社近くにエントリーをしても内定が得られない……。1990年代後半から2000年代前半にかけての後期は「超氷河期」とも呼ばれる厳しい時代となった。

 キャリアを契約社員や派遣社員、パートといった非正規から始めることを余儀なくされ、成長機会を奪われたために、その後の景気回復の波にも乗ることができなかった。内閣官房のまとめによれば20年時点で、「正規雇用を希望していながら、現在は非正規雇用で働いている」ケースは全国で約42万人。望まないまま非正規として働いている。

 4年制大学卒業の場合、氷河期世代は今年4月1日で全員が40歳以上になった。狭き門をくぐり抜けて、大手企業で正社員として働く「勝ち組」たちは、組織で中核的な役割を担う年ごろだ。しかし、非正規で働かざるを得なかったり、引きこもりだったりするのに比べれば、恵まれているはずの勝ち組も、ある意味で不遇な立場に置かれている。

(イラスト=山崎 真理子)
(イラスト=山崎 真理子)

 「上の世代がつかえていて、ポジションなり昇格の機会なりが減ってしまっている」。当時も今も花形の総合商社A社の人事担当者は氷河期世代の境遇についてこう語る。バブル期の1990年代前半には200人以上を採用していたが、2000年代前半には100人を割り込み、半分以下となった。新卒採用の人数がピークだったバブル期の1991年と翌92年の入社組が幅を利かせ、その割を食っているという。

 A社には事実上の役職定年があり、早ければ53歳でそのタイミングがやってくる。「49歳から50歳ぐらいまでに昇格できなければノーチャンス」というが、ボリュームゾーンのバブル入社組がポストを押さえていて空きは少ない。

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