ビジネスシーンでサウナをパフォーマンス向上に役立てる組織や人が増えている。その効用を認め、オフィスや自宅に設備を整える経営者も多い。現場に足を運ぶと、サウナが仕事をも「ととのえる」理由が見えてきた。

「サウナで重要なのは『換気』と『蒸気』だね」「水風呂から上がったらすぐに座ってタオルで体を拭くといいよ」。日本で特にサウナ文化が発達している名古屋市。オフィスなどが立ち並ぶ「丸の内」エリアの一角にあるビルの最上階に設置されたサウナを4月上旬に訪れると、サウナ愛好家「サウナー」が20代の「初心者」に対しその心構えを伝授していた。

ここは愛好家の中で聖地とされる名物サウナ「ウェルビー」でもなければ、本場フィンランドのサウナ体験ができる女性に人気の施設「サウナラボ」でもない。航空機材や産業機械などの設計・開発を手掛けるタマディック(東京・新宿)が2022年から入居している自社ビルだ。日本では数少ない「サウナ付き」のオフィスとして今、全国の企業の担当者がこぞって視察に訪れている。

4月中旬には同所を眼鏡店「JINS」を展開するジンズホールディングス(HD)の担当者も訪れた。「1人用サウナと、4~6人が入れるコミュニティーサウナを設置しようと考えている」。田中仁社長は、23年の移転を機に、東京本社にサウナを備えることを決めた。
なぜ今、オフィスにサウナを設ける企業が増え始めているのか。それは、仕事のパフォーマンス向上に寄与すると考えているからだ。サウナーのビジネスパーソンに話を聞くと、サウナがビジネスに与える5つの「効能」が見えてくる。

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