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中立機関を設け議論深めよ
日本総合研究所副理事長  山田 久

官製春闘の「限界」が叫ばれて久しいです。

住友銀行(現・三井住友銀行)に入行し、日本総合研究所経済研究センター所長などを経て2019年から現職。
住友銀行(現・三井住友銀行)に入行し、日本総合研究所経済研究センター所長などを経て2019年から現職。

 岸田政権の賃上げ政策は「官製春闘」を始めた安倍政権のやり方を基本的に踏襲しています。ただ、安倍政権下の賃上げ促進税制は、2013~19年度の年間平均で9.4万社しか利用していません。日本の企業数からすれば適用率は数%。経団連をはじめとする経営側への賃上げ要請も単なる呼びかけだけでは限界があるのは、安倍政権時の教訓からも明らかです。

 日本には米国の労働市場のように人々がより高い賃金を求めて企業間を積極的に移動し、結果として市場全体の賃金水準が引き上げられる「需給バランスに即した賃上げ」の仕組みが存在しません。労働市場の規制緩和に向けた壁は高く、実現するとしても時間がかかるでしょう。

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この記事はシリーズ「漂流する賃上げ なぜ給料は上がらない」に収容されています。WATCHすると、トップページやマイページで新たな記事の配信が確認できるほか、スマートフォン向けアプリでも記事更新の通知を受け取ることができます。