この記事は日経ビジネス電子版に『賃上げ税制は「新しい資本主義」の第一歩 自民党税調会長の宮沢氏』(3月2日)として配信した記事を再編集して雑誌『日経ビジネス』3月7日号に掲載するものです。

「新しい資本主義」の旗印を掲げる岸田文雄内閣が成立して初めての税制改正において、まずは賃上げからということで、賃上げ税制の拡充に取り組みました。実際の賃上げにつながる、インセンティブとなるような税制をつくりたいということで始めたわけです。

宮沢洋一氏
宮沢洋一氏
旧大蔵省出身で、経済産業相などを歴任した自民党を代表する政策通。2021年の税調会長就任は2回目。岸田文雄首相と同じ広島選出で、首相のいとこに当たる。(写真=竹井 俊晴)

 「新しい資本主義」の旗印を掲げる岸田文雄内閣が成立して初めての税制改正において、まずは賃上げからということで、賃上げ税制の拡充に取り組みました。実際の賃上げにつながる、インセンティブとなるような税制をつくりたいということで始めたわけです。

 労働分配率の引き上げを目的にしていましたから、基本給を対象にするのが本来の筋だと私自身は思っていましたし、自民党の税制調査会の幹部の間でもそうした意見がかなり多かった。一方で経済界からは、できもしないような形の税制をつくられても使わないよ、といった話もありました。

 運動会の種目にパン食い競走というのがありますね。パンをあんまり高いところにつるしてしまうと、よっぽど運動神経のいい人以外には取れないし、低すぎると誰でも食い付けてゲームにはならない。適当な高さにパンをセットすることが一番大切です。

 税の仕組みにも同じようなところがあります。基本給だけを対象にしていては、限られた企業しかついてこない。一方で、賞与を対象にしてしまうと1年限りとなって、恒常的な賃上げにはつながらない恐れがある。そんな中で出てきたのがマルチステークホルダー宣言です。賞与を引き上げた場合でも優遇を適用する代わりに、大企業には宣言を求めることにしました。

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この記事はシリーズ「漂流する賃上げ なぜ給料は上がらない」に収容されています。WATCHすると、トップページやマイページで新たな記事の配信が確認できるほか、スマートフォン向けアプリでも記事更新の通知を受け取ることができます。