この記事は日経ビジネス電子版に『トヨタ、花王、日立……脱炭素で勝ち残るトップ70社はここだ』(2月22日)として配信した記事を再編集して雑誌『日経ビジネス』2月28日号に掲載するものです

世界で急速に進む「脱炭素」重視のゲームチェンジで勝ち残れるのは誰か。「本気の脱炭素経営」を実践する企業を、専門家68人の投票でランキングした。事業変革への覚悟を持ち、成長の好機に変えようとしている上位70社はここだ。

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 「脱炭素」という巨大なゲームチェンジの荒波に日本企業は立ち向かおうとしている。世界各地で企業活動を巡る新たなルールが立ち上がり、時代の変化をチャンスと捉えて新市場の覇権を狙うプレーヤーも続出している。

 脱炭素への対応の巧拙が、企業の競争力そのものを左右する──。かつて一部の識者が声高に叫んでいたこの考えが、今や多くの経営者やステークホルダー(利害関係者)にとっての共通認識になった。

脱炭素経営の袋小路

 一方で、脱炭素時代の収益モデルを描ききれなかったり、ビジョンや目標を掲げたものの実効性が伴わず形骸化したりして、袋小路で足踏みをしている企業は少なくない。

 では、世界で進む環境変化を追い風にできる会社へと進化するための、本気の脱炭素経営を実践している企業は一体どこなのか。

 そこで本特集では、「企業動向」と「脱炭素」の両方に軸足を持ち、産業界を定点観測している専門家に調査協力を仰いだ。脱炭素経営の本気度と先進性、実行力などで、抜きんでていると評価する企業を1位から10位まで挙げてもらい、その理由を回答してもらった(調査とランキングの概要は下に記載)。その結果を点数化し、得点順にランキングにした。あえてくだけた表現をするなら、脱炭素経営の目利きによる人気投票と言い換えることもできる。

 形式的な要件や数値に基づく脱炭素の企業ランキングは、過去にも例がある。しかし今回の調査では、むしろ回答者の主観を交えた総合的な評価を目指した。

 経営トップの脱炭素に取り組む覚悟や、時としてリスクや痛みを伴う挑戦など、多くの定性的な要素を抜きには脱炭素の練度を評価できないからだ。そのためランキングには、回答者の「印象」も反映されているが、これは金融市場や一般社会のステークホルダーからの評価を推し量る手掛かりになると特集班は考えた。

 調査で名前の挙がった企業は、およそ170社。その上位70社をランキング表にまとめた。

調査概要

【回答者・形式】脱炭素と企業動向に詳しい専門家にアンケートを実施。68人から回答を得た。下の評価軸に照らして特に優れた脱炭素経営を実践していると思う企業1〜10位を挙げて、評価ポイントについてコメントをもらった

【評価軸】脱炭素経営における、(1)経営トップのコミットメント、(2)脱炭素の実績および実行力、(3)事業開発や技術開発の先進性と競争力、(4)目標を実現する経営上の仕組みの構築・活用度

【ランキングの方法】回答で名前の挙がった企業に、1位=10点、2位=9点……10位=1点を付与。全回答者から獲得した総得点でランキングした。持ち株会社傘下の企業の得点は、親会社に合算。コメントは一部編集した

【ランキング対象】情報開示などの観点から、(1)東証1部上場企業、(2)国内上場の統合報告書発行企業、(3)TCFDコンソーシアム会員の日本企業を対象とした

【調査期間】2021年12月〜22年1月

「脱炭素経営ランキング」アンケート回答者一覧

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