
社員の口癖。本質的な意味を問いかけるため、キーエンス社内では常にこの2語が飛び交う。こわもての上司から関西弁で詰め寄られる光景は想像したくない。

毎日提出する「外出報告書」は分刻みで予定を記入する。ありのままを記載することで、業務効率などを正確に分析できるという。


会議の座席は部屋に入った順番で決まる。名誉会長がドア横に座るケースも。忖度して部屋の外で待つような社員は「時間を無駄遣いするな」と叱責されかねない。

フラットな社風を実現するため役職では呼ばず、年下でも呼び捨てにはしない。入社年次も気にしない。上司も部下も丁寧語なら、力関係を考えて言葉を選ぶ必要はなくなり合理的だ。

営業担当者は常にデモ機を携行するため、「運動部の学生が抱えるような大きなバッグを持ち歩く」(OB)。デモは海外でも大受けする。

固定電話の「モニター」機能を使い、上司は横で話している部下の電話をチェックすることもある、とOBは明かす。最初は嫌がる社員も次第に慣れていき、「困ったらカンペを出して助けてくれるので、むしろありがたい」という声も。


営業担当者が顧客を訪問した後、上司がフォローの電話を入れる。OBらが「ハッピーコール」と呼ぶ仕組みだ。商談を成立させる後押しか、それとも監視か。受け取り方は人それぞれだ。
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