「課題に目を向け、改善を」

お家騒動の内幕を見せるような異例の記者会見から約2週間後、セブン&アイHD社長への就任が決まったのが、鈴木氏から退任を迫られていた井阪氏だった。「鈴木敏文元会長が築き上げた変化への対応をベースとした単品管理の思想に、さらに磨きをかけていく。一方、課題にも目を向け、改善していかないといけない」。16年10月、社長就任から約4カ月後に開催した中期経営計画(通称「100日プラン」)の発表会見に臨んだ井阪氏はこう決意を述べた。
セブン-イレブンのほかに、スーパーの「イトーヨーカドー」「ヨークベニマル」、百貨店の「そごう」「西武」、ファミリーレストランの「デニーズ」、専門店の「ロフト」「アカチャンホンポ」、アパレル通販の「ニッセン」などを抱えるセブン&アイHD。鈴木氏がつくり上げた巨大な流通コングロマリット(複合企業)は、異なる事業同士の相乗効果を狙った「オムニチャネル」戦略では一敗地にまみれていた。「カリスマからの卒業」という大きな宿題が井阪氏の眼前に横たわっていた。
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