PART2はメーカー編として自動車、デジタルカメラ、スポーツブランドを取り上げる。自動車では独メルセデス・ベンツが首位となり、トヨタ自動車をわずかに上回った。日本が得意としてきたものづくりで、海外勢が支持されている。

5.自動車
交流拠点に1200万人 「高根の花」の印象崩す
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 自動車では半数のNPSがプラス、残りがマイナスとなり評価が二分された。マップを見ると、メルセデスとトヨタが、利用者による支持の強い第1グループとしてあり、第2グループとして独フォルクスワーゲン、SUBARU、ホンダが追うような構図となっている。

信者の多いメルセデス

 自動車関連団体によると、2021年の国内新車販売台数(軽自動車含む)のうち、メルセデスは5万1722台で、シェアは1.2%だった。数は少ないが、A.T.マーケティングソリューション(東京・中央)代表の高田敦史氏は、製品の質の良さなどに加えてブランドの伝統が大きな支持の要因になっているとみている。1880年代後半に独ダイムラーの祖となるゴットリープ・ダイムラーとカール・ベンツが世界で初めてガソリン自動車を開発し「歴史に敬意や共感を覚える信者が多い」(高田氏)。

 2021年に最も販売台数が多かった車種は、400万円台から買える小型車「Aクラス」。小型SUV(多目的スポーツ車)の「GLB」も人気が高く、500万円台後半からとなっている。

 かつてメルセデスには「高根の花」というイメージが強く、敬遠する消費者もいた。だが現在では、若年層にも関心が広がっている。

カフェ併設、グッズ販売も

 少しでも心理的ハードルを下げてブランドを身近に感じてほしいという思いから開いたのが、消費者との交流拠点「メルセデス ミー」。メルセデス・ベンツ日本(東京・品川)が11年から開き、現在は東京都内に3カ所、大阪府に1カ所ある。21年末までに累計約1200万人が足を運んだ。

 「メルセデス ミー 東京」(東京・港)を訪れると、おなじみのベンツマークがあしらわれた時計、子供服などグッズが並んでいた。「このクマかわいい」「かっこいいウエアだね」。拠点にはカフェやレストランもあり、誰でも親しみが湧く空間を目指している。1月のある日曜日の店内は、中高年から若年層、家族連れまで幅広い客層でにぎわっていた。

 この交流拠点や公式レンタカーショップでは、4時間4000円からという安い料金でレンタカーのサービスを提供している。「メルセデス ミー 東京」で試乗した女性は「ベンツは憧れのブランド。気軽に運転できて楽しかった」と満足げだった。

 こうしたファンづくりの取り組みもあって、比較的買いやすい低価格帯だけでなく、新型セダン「Sクラス」のように1000万円を超える車種を選ぶ人が近年増えているようだ。

 2位のトヨタについて「圧倒的に品質などへの信頼感が強い」(証券アナリスト)との声がある。走行性能や丈夫であるといった質の高さと、販売店での丁寧な接客態度などから「トヨタにすれば安心との評価につながっている」という。

 トヨタの21年の新車販売台数は142万4380台と全体の32%を占めている。車種別の販売台数(軽除く)でみても、1位の小型車「ヤリス」から4位のミニバン「アルファード」まで独占した。世界で初めて開発したハイブリッド車「プリウス」などによって、先進的なイメージも強い。